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今年最後の園長だより

カテゴリ : 
園長通信
執筆 : 
seimei 2017-12-9 14:45
先日の発表会には、とても寒くお足元の悪い中、たくさんの保護者の方に
ご来園いただきありがとうございました。子どもたちの育った姿に
『驚きと感動』を感じていただく機会になったのであれば嬉しいです。
乳児の皆さんも、すぐに発表会に参加するようになりますので、その時が
待ち遠しいものですね。

さて、0〜6歳というまだまだ人生のスタートを切ったばかりの子ども
とはいえ、それぞれが生きることにとても意欲的で、新しいものに
興味を抱き触れて感じて、模倣をして、感動して、ときにはもがき
ながら悩みながら、痛さにも耐えながら生きぬく術を学んでいます。
その生活の様子から、今この瞬間、子どもたちが何を感じて過ごして
いるのだろうかと時にはじっくり観察して、時にはかかわりながら
子どもの心に寄り添うように保育を進めています。しかしながら、
ご家庭ではそれぞれのご事情もあって、なかなかゆっくりと子どもと
かかわってあげられないというお話もお聞きします。気づけばあっと
いう間に過ぎ去る時期です。どうぞ、園の便りや担任との雑談から、
子どもの育ちの素晴らしい部分を共有しながら味わっていただけたら
と考えます。私自身2人の子どもがいますが、妻に子育てを任せて
育ちの共有を全く図ってこなかった過去に対する反省でもあります。

ところで、いよいよ師走に入ります。ご家族でゆっくり過ごせる時間が
できる頃ですので、皆さんの心に『幸せ』で『温かく柔らかな時間』が
流れることをお祈りしています。1号の子どもたちは冬休みでしばらく
会えなくなりますので、休み明けの思い出話を楽しみにしていますよ。

では、園長だよりはこの号で今年最後です。良いお年をお迎えください。
今年も本園の保育運営に、たくさんのご支援とご協力をいただきありがとう
ございました。教職員一同心からお礼申し上げます。
11月27日に音環境を生かした保育実践について、高崎健康福祉大学
人間発達学部子ども教育学科教授 岡本拡子さんによる講演で保育教諭と
学んできました。お話の中で、子どもの感性を育むための音環境が
どれほど大切で、心地よい音や音楽をどのように作り出せばいいのかを
中心に教えていただき共感できる内容ばかりでした。例えば、子どもに
とってBGMはあまり必要なものではないそうです。子どもたちは、何か
1つのことに集中しているときにもう1つのことを意識することは難しい
ものです。食事をしているとき、行事のときには、そのことに集中する
ために必要はないと考え、本園でも音楽はかけていません。
また、わんぱくフェスティバルでもなるべくBGMをかけずに、皆さんの
声援や子どもたちのつぶやきが少しでも聞こえるように、配慮しています。

音は心を豊かにしてくれる生活に欠かせないものですが、騒音として
不快な気持ちにしたり、集中して物事に取り組めなくなったりするもの
です。『音環境』は、なかなか深いものです。
’中のSちゃんは園長の頭をなでながら
「園長は、本当は髪があるの?もう少し切ったらどうなるの?」
と気になって仕方がない模様。色々な子どもたちによく頭を
触られるのですが、特にご利益はないと思われます(笑)

△うちコーナーでは、ステキなドレスやスーツに着替えて、
いろいろな役になりきります。変身した姿にご満悦。
ままごとを始めると、お母さん役の子は、自分のお母さん
そっくりに演じます。口調や小言を上手にまねるのです。
ただ、自宅では担任そっくりに演じる子もいるようですから、
お互い隠しごとができませんね〜
親子でトビタテ!世界がキャンパスプロジェクト2020!が
今年から始められることになりました。お手紙でお知らせしま
した後に、たくさんの反響があり、1組はすでに冬休みに行く
ことが決定しました。そのほか数組の方がご検討されています。
今回は初回の事業ということもあり、園長や教頭も現地入りを
考えていますが、いつご出発いただいてもある程度対応できる
と思いますので、ぜひお声がけください。
 ,△訥、女の子が1人ぽつんとテラスにいました。寂しいのかな?
  何かあったのかな?大人はついつい余計な心配をしてしまいます。
  だって、子どもはいつも元気いっぱいに遊んでいるもの…
  けれど、子どもだって静かに物思いにふけることがあります。
  そこで、園長も彼女の隣で園庭を静かに見てみます。
  そこには、見慣れた園庭ではあるけれど、子ども1人ひとりの
  表情、雨露に濡れた木々の息吹、流れる川のせせらぎ…。
  なるほど、同じようで同じではない。新鮮な毎日がやってくる
  ことに気づかされます。

◆1歳児の女の子、暖かい窓際で1人人形のおしめ交換。いつも自分に
  してもらっている様子をよく見ています。熱いおしりふきもきちんと
  冷やします。もちろん人形への声掛けも忘れません。取り替えますよ〜
  ちょっと待っててね〜小さなお母さん、今日も子育てに奮闘しています。
  その遊び込んでいる集中力には本当に驚かされます。この姿は、必ず
  小学校以降の生活につながる『生きぬく力』として育っていきます。
 先日、幼児部主任の池戸と宮崎県で保育の研修会に参加してきました。
講師も担当させていただき、せいめいのもりの保育についてお話をさせて
いただきました。主な内容としては、子ども主体の保育の大切さと、だから
園庭環境の改善に踏み切ったこと、そして、さらにどんな変革が起こった
のかでした。そこに至るまでの道のりも平たんではなく、保育教諭と改革を
したい園長との間に溝ができたこともありました。

では、今回はその研修の一部をお伝えしたいと思います。

【はじめは保育教諭だって緊張と不安…】
 園庭を変える!園長が横浜にある川和保育園を視察した時、同じ保育施設で
こんなに違うのか!本園でもこういった環境で子どもを育てたい!と強い信念が
生まれました。元々園長だよりを『せいめいのもり』という名称にした理由も、
園庭を森のようにしたいからでした。(以下、園長だより95号の抜粋です。)

 1日目の座学に次いで2日目に伺った園視察では、その環境づくりに
驚かされました。園庭は森そのもので、遊具もとても背が高く木登りや
ターザンロープは当たりまえ。9メートルもあるツリーハウスも1人で
登っていきます。保育者が余計な口出しや手助けをしないので、子どもは
用心深く自分の責任において遊びこめるようになっています。園外保育も
道なき道を行く探検に行ったかと思うと、園庭では子どもたちが焚火を始め、
個人持ちで与えられている小刀で木を削る、のこぎりも使う…これが、周りに
工場や民家に囲まれた都会の保育園なのです。決して田舎の園ではないのです。

子どもが育つための要素として大切なことは、少しだけ難しいことを用意する
ことです。誰でもできることは集中して没頭できませんし、難しすぎても挑戦
する意欲を失います。できるかできないかのギリギリの環境によって、乗り越えた
充実感や満足感が繰り返され、心が強くなるのです。

 札幌市内にはたくさんの公園がありますが、大人の思いで作り上げた遊具
では、子どもの遊びの創造を超えることはできません。言い換えれば、大人の
発想には子どもを超えられない限界があり、まして自然の包容力や危険さ、
1つとして同じ環境がない偉大さには、どうにもかないません。

 さて、川和保育園と出会って保育教諭も視察に連れていき、実際の環境を
目の当たりにした直後から、保育者の目つきが変わってきました。それまで
大きな環境変化への不安で仕方がなかったようですが、“百聞は一見に如かず”
です。その後は、設計士さんや業者さん(おやじの会のお父さんや園長の友人)
と一緒に園庭を造り、構造を把握することや、様々な研修で学びを深め、さらに
教職員全体で膝を付け合せて侃々諤々(かんかんがくがく)と何時間も議論を重ね
ました。そして、シミュレーションを行い、共通理解を図ったことで、子どもに
とって本当に必要な環境になったと確信を持つことにつながりました。もちろん、
しばらくは緊張感に包まれていましたが子どもは用心深い、無理をしない存在と
いうことを知りました。これは好奇心や探究心と裏腹のもう1つの子どもの姿です。
そのためには、子どもへの対応で『手を貸さない』『遊びの指示をしない』
『子どもの様子を把握、観察する』『職員会議で様子や問題・課題をしっかり
共有する』ということの理解を保育者同士で深めていきました。

【ついつい大人は口と手を出してしまう存在】
 上記の通り、自分で経験していないことを、人の手を借りて経験してしまうと
本当の危険を感じることができず、大きな怪我につながります。小さな失敗と
成功の繰り返し、挑戦したいことや感じたことを行動に移し経験の蓄積をして
いくことで、子どもの心身は大きく育ちます。その良い例に、日本人はついつい
子どもに手取り足取りケアしてしまいがちですが、ニュージーランドの園に視察に
行った保育団体は、寒い外にもかかわらず半袖で遊んでいる子を見て『なぜ保育者が
ジャンパーを着るように促さないのか?』と日本人が尋ねると、反対に『なぜ
子ども自身でその判断ができないのか?大人が子どもを信じて!必ずその答えを
持っているから!』と返されたそうです。

【実は〜園庭を変える!ということは、日々の保育を変える!ということに繋がります】
 生きぬく力を育てる上で『リスク』はあるけれど回避のできない『ハザード』
はない園庭環境に整えていくことで、園舎内外のどこでも子ども主体で遊び込める
環境づくりにより一層注力できるようになりました。そうすることで、当時、
とてつもない違和感に襲われたことを思い出します。今まで禁止されていた
ところで遊ぼうとする子どもたちは、確認するかのように必ずチラッと先生を
見ました。ケンカをすると、やはりどこかのタイミングで先生を目で探し、
そして目が合いました。いつもそのタイミングで先生が子どもに介入していたの
です。本園は、これまで『こども中心・あそび中心のこどもの城』と言ってきた
のにもかかわらず、まだまだ至っていなかったことを痛感させられる毎日でした。
『園庭を変える』ということは、『日々の保育』を全面的に見直すことにつながり
ます。園運営の全てが一体となって進められていますので、環境のどこかが変わった
だけということにはならないのです。そして、こういう環境にしたことで、子どもが
育つ環境がどういうものであるべきか、子どもの心の声が聞こえてくる気がするのです。
『もっと子どもを信じなさい』と…

 今回の園庭のモデルにしている川和保育園では、園長が『骨折までは覚悟して!!』
と保護者に説明しています。これは、決して骨折することを推奨しているのではなく、
『生きること』には多くのリスクがつきもので、その覚悟を負って保育が成り
立っている表れで、そこから逃れて子育てすることはできない強い発信だと
捉えることができます。自転車や自動車に乗ること、包丁を使うこと、火を使う
ことなど、たくさんのリスクと向かい合って生きています。しかし、生活に欠かせ
ないものばかりです。だからこそ、自分の身は自分で守ること、何が危険で何が
安全、そして『できること』と『できないこと』といった自らの限界を知るなどは、
まさに『生きぬく力』です。

※ ちょうど2年前の平成27年9月、保護者向けの学園50周年記念講演会では、
 講師の方がこういった内容を中心にお話しいただき、参加されたどの方の心に
 も園庭の大切さがスゥーっと沁み渡ったようです。
せいめいのもりは、幼稚園の団体と保育園の団体のいずれにも加盟しています。そこで、8月18日に行われた全国の幼稚園団体が主催の幼児教育実践学会が
札幌で行われた機会に、本園や その他5施設で公開保育を行いました。
道内の先生方は参加が制限されていたため、道外の80名以上の先生方が本園に
て、子どもや施設の様子を見学したり、本園の保育への思いなどを話をさせて
いただいたりで、2時間ほど公開保育を行いました。その際、多くの方々から
とても充実した環境に感動していただき、子どもが育つ環境設定を共にやって
いこうという仲間がたくさんできたことに、  私たちも感動させていただき
ました。

また、同時に中国で300名の幼稚園をなんと500園も運営されている理事長先生も
本園にいらっしゃいました。園児数が15万人…さすが中国のスケールの大きさを
感じさせられましたが、そのような方々にも本園で刺激を受けていた様子はとても
嬉しいものでした。さらには、今週末に保育園団体の全国大会が札幌で行われる
ことから、保育園の先生方がいらっしゃることにもなっています。たくさんの
方々と保育の交流を行うことは、本園の実践をもとに保育の質を全国的に上げて
いけるチャンスと捉え、私たちは発信し続けます。
昨年にニュージーランドから園長先生方が視察にいらっしゃいましたが、
それを取り持ってくれた岐阜県のサニーサイドインターナショナルを
運営されている渡辺園長先生との話し合いで、協力関係を築いていき
ましょう!という話になりました。そこで、今後ニュージーランドへの
親子留学のサポートやニュージーランドの提携校との交流ができるよう
準備を進めています。新しい情報が入り次第お知らせしますが、ご興味の
ある方は園にお知らせください。これからは、国際人として生きていく
皆さんに必要な環境づくりも大切だと考えています。
年中の女の子たちがみかん組担任のあつこ先生に話しかけています。 「りな先生とあつこ先生は姉妹だよね?」。 あつこ先生が「いやいや親子くらいに年が離れているよ〜」と言っても 「いや姉妹だよ!」と引きません。 そこでどちらがお姉さんか聞いてみると「あつこ先生が妹!」と断言。 「だって、あつこ先生の方が小さいもん!」 なるほど、体の大きさで判断していたのですね。確かにみんなにとっての お姉ちゃんやお兄ちゃんは大きいですものね〜笑
 年長児になったら味わえるお泊まり会!今年は、みんなでカレー作りをしま
したが、商品の購入から火起こし、具材を切る…などなど、自らなんでも挑戦
しました。子どもにとって、親元を離れて友達と宿泊する機会はなかなかない
ものですから、当然楽しい気持ちより不安だったり心配だったり色々な思いが
交錯している様子もみられました。けれども、『くう・ねる・あそぶ』の子どもの
生活全てが備わったこういう機会は、子どもたちにとってかけがえのない
素晴らしい経験になったことでしょう。

※ 食材は本来お店に行って実際に購入したかったのですが、安全性やルーのアレルギー対応などこだわりの『もりのキッチン』経由で手配をして、保育教諭がお店屋さんに扮して行いました。